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「フシアワセ光線」(またの名をフキゲン光線)


ウルトラマンに出てくるバルタン星人は
火星にあって地球にはない
スペシウムという物質がとても苦手なので
火星ではなく地球を狙ったのだということです。

それでウルトラマンは、
そのスペシウム光線を武器に
バルタン星人を撃退します。


人間の心の世界には「フシアワセ光線」という光線があって
なんともない人にはまったく効果がないのですが
あるタイプの人(この光線に対するレセプターが発達した人)は
この光線を浴びるとひとたまりもない。

急に相手のフシアワセ(またはフキゲン)に
何か自分が責任を取らないといけないように感じ
居ても立ってもいられなくなってソワソワしだします。

そして光線を発した本人がちょっとそぶりを見せただけで
何かを自分でお願いするということをしなくても、
光線を浴びた方は、慌てて相手をなだめようとしたり、
相手が望んでいることを先回りしてくみ取ってあげたり、
時には周囲の人間にまでその人に気をまわすように調整してみたり、
場合によっては気をまわさない人を非難したりと大活躍で、
本人の代わりになって、一所懸命、気を揉み始めます。

例えば…
光線を発するのがお父さんで(お父さんの場合、多いのはフキゲン光線)、
お母さんがこの光線に対するレセプターが発達している場合。
お父さんのフキゲン光線を浴びたお母さんは
慌ててお父さんの機嫌がそれ以上悪くならないように自動的に動き出す。
その空気が読めずにお父さんを刺激するような子供がいたりすると
今度はお母さんの目ヂカラで子どもを威圧する…といった具合です。
いつの間にか子どもたちにもフキゲン光線のレセプターが発達します。

お母さんの場合、多いのはフシアワセ光線。
この光線を浴びた子どもたちは、
お母さんがお父さんに言いたいことも言えず
フシアワセそうなのが悲しくて
お母さんの愚痴の聞き役を一生懸命務めたり、
フシアワセなお母さんが淋しがらないようにいつも同調したり、
気持ちを寄り添わせてあげるたりするようになります。

そして、そうやって育った子どもたちは、大人になっても、
周囲のフシアワセ(フキゲン)光線にとても弱くなる。
(光線のレセプターが発達する)
会社や学校で、この光線を発する人に出会うと
ほとんど反射的に相手の感情に責任を感じて
それをなだめようと反応してしまうようになります。

この光線の特徴は、
レセプターの発達した人間のみが感知して、ほぼオートマで動くこと。
光線を発している人間は自分の感情に他の人が責任を取ってくれるので
自分の感情には無責任(無自覚)でいられること。

そして、それを受け止めてレセプターが発達した方の人間は、
実は今度は自分自身、光線を発する能力が発達していくので
周囲のレセプターを持った人間を自分がリモコンで操作して、
自分の感情には責任をとらなくなること、などでしょうか。


以心伝心、
気持ちの通じ合うことは美徳のようでもありますが
これがあまりに発達してしまうと、
自分と他人との境界が分からなくなってしまいます。

悲しみも怒りも絶望も、喜びや楽しみと同じくらい大切な感情。
本来の所有者である人に返してあげて、
自分は自分自身の感情にじっくり付き合ってみては如何でしょうか。

2009.5.26.