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家族からの宿題


現在の家族の中でのモンダイ…

自分の子どもが可愛くない。
子育てが苦痛。
そんな自分は最低だと思うけれど、どうしてもそう思ってしまう。
何で女ばかりが家庭に縛りつけられなければならないのか。
このまま社会から置き去りにされて、ただのオバサンになるのがこわい。
子どもがわがままを言うとイライラしてつい手をあげてしまう。
人の顔色を見る子どもにムカついて意地悪を言ってしまう。
子どもの、いわゆる“問題行動(不登校、非行など)”が心配。
理解のないパートナーへの怒り…このまま関係を続けていていいのか。
パートナーからの暴力、暴言があるがずっと我慢してきた。
結婚生活への不満、不安の持っていき場がない。
夫のことが生理的に駄目。傍を通るだけでジンマシンが出る。
妻が家事をまったくやらず、浪費ばかりして家計がパンクしそう。
成人した子ども(?)のひきこもりやアルコール、ギャンブルなどの問題。
成人した子どもからの暴力、暴言。



原家族(自分が生まれ育った家族)のモンダイ…

虐待されて育ってつらい思い出しかない。今も自分を愛せない。
自己チューな両親との関係に悩んでいる。
両親が子どもの頃からずっと不和で、自分は間に挟まれたまま。
両親が離婚してお母さんが出ていってしまうんじゃないかとずっと怖かった。
両親のうちどちらかのアルコールなどの問題。
親の問題にずっと関わり続けて、いつまでも自分の人生を歩めない。
いつも不幸そうな母親を見て育った。助けてあげられない自分がずっと悲しかった。
お母さんが可哀想だった。
母親は馬鹿だと軽蔑していた。自分が同じ性なのが耐えられない。
父親は最悪の人だった。あんな父親にだけはなりたくない。
両親を見ていると結婚なんてしてもいいことがあるとは思えない。
自分も親のようになってしまいそうで子どもを育てる自信がない。
男の人を見ると、父親のように暴力をふるう気がして身構えてしまう。



自分だけのことで家族とは関係ないようなモンダイ…

親はフツーの人だったし、自分は大切に育てられた。
なのに自分は人の前に出ると緊張してしまう。
いい人を演じてくたびれて、1人になった時に過食嘔吐してしまう。
仕事が殺人的に忙しくて、この頃朝起きられない。
病院に行って検査を受けても何でもないのにこの頃すごく身体がだるい。
いつも疲れていて家事が何もできない。怠けているようでつらい。
自分が何のために生きているのかわからない。
表向きは普通に過ごしているけど、実は毎日がひどくかったるい。
人を信じることができない。どうせこいつもいつか裏切ると思ってしまう。
自分の弱みを人に見られたくなくて本音を見せられない。
他人のためなら頑張れるが自分のために頑張ることができない。



親の世代は、自分の世代が解決できなかったことを
私たちに大きなクエスチョンマークのついた箱の形で遺産として遺します。

たとえば、中にはこんなものが凍ったまま入っている…
子どもの頃の私たちの目の前で毎日繰り広げられていた悲しみ。
小さな子どもだった自分に向けられた親からの理不尽な怒り。
大人なんだから自分たちで何で何とかできなかったんだろうか?
「もうたくさん。」「もう止める。」と毎日言いながら止められなかった大人たち。
子どもの頃の私は、お母さんのことを助けてあげたくて
あんなに頑張ったのに、それでも結局お母さんは不幸だった。

または…
お父さんはあんなに真面目で働き者で家族思いだった。
なのに私たちの家族はどうしてあんなに息苦しかったんだろう。
母はいつでも元気で明るかったけど何を考えているのかよくわからなかった。
なんだかみんなが変に陽気でいつでも言葉ばかりが虚しく空回りしていて
私のイライラした気持など誰もわかってくれなかった。
などなど…


親たちが解けなかった謎は、
そのままの形で子どもの世代が引き継ぐ。
その謎の箱を開けて、
中身を「理解のできる温かい感情」として解凍してほぐせば、
それはきっと自分たちや次世代のための栄養になるのですが…。

出来なければ、また、その謎は「解けない不幸」の形で
凍りついたまま次の世代にわたっていく…。
そしてそれは「理解できないけど止められない苦しい行動の反復」として
表現され続ける。

一見、親とは関係ないように感じられる自分の中のモンダイも
多くは何らかの形で、黙ってそうっと受け渡されたそんな秘密の箱。
そう、今、いつのまにか、その謎のブラックボックスは自分の中にある。

自分たちの世代で解けないでいると、
時には今度は子どもの世代がモンダイを提示してくれる。
「ホラ、ここにモンダイの箱があるよ。解いてみてよ。」と。

まずはモンダイのありかに気づくこと。
自分の中の箱(ブラックボックス)を開けること。
自分が開けられるのは、自分の中の箱だけだから…。
(大丈夫、ちゃんと自分の中にあるから)
ふたを開けて、そして、じっくり解凍していく。
時間をかけて丁寧にゆっくりやってみればいい。

そうすればそれは、
温かくて栄養豊かな贈り物に変身して
いつかじんわりと私たちを満たしてくれるかもしれない。

2010.5.1.