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家族の中の支配関係

ドメスティックバイオレンスや子どもの虐待、
または成人したり身体的に親を脅かすほど大きくなった子どもの
親への暴言、暴力など
昔は注目されてこなかった(けれど昔からあった)
家庭内での家族間暴力が今は注目されるようになってきています。

家族と言うのは温かくて心休まる場所だという
根拠のない神話に疑問を持つ人がやっと増えて来て、
家族内での、強者から弱者への力による支配が
その中に暮らすメンバーの
心身を傷つけ蝕むこともあると語ることが
かつてほどタブーではなくなりつつあります。

それでもこの問題の解決が一筋縄ではいかない理由
ひとつには、私たちが自分自身が受けて育ってきた暴力に対して
感覚がマヒしていることが多いことによります。
「しつけ」だと言って子どもを殴る親は本気でそう思ってることが多いのです。
「子どものため」だから、「可愛いという気持から」
子どもを傷つけ自尊心を奪う言葉を
繰り返し子どもに掛けてしまって気づかない親は
そこら辺にいる普通の親です。

家族の他メンバー(たとえば両親)間の暴力に
曝されて育った子供も、心理的な暴力を受けて育ったのと
同じような傷ついた心を持って成人します。
その暴力の中には
もちろん身体的な暴力も含まれますが
言葉での暴力や、経済力の差による圧迫など、
目には見えにくい形のものの方がむしろ多いかもしれません。

たとえば、専業主婦の母親がサラリーマンの父親に
「誰のお陰で食わせてもらっていると思っているんだ?!」と
ののしられているのを見て育てば
経済的な力の上下差によって暴力的に
大切な人(母)の自尊心が奪われていることを
子どもたちは目の当たりにして傷ついて育ちます。

その子どもが女の子であれば、
女性と言うのは尊重されない性なのではないかと
自分の性に対して自信を持てなかったり嫌悪感を感じたり、
異性に対する不信感や怨みの感情を持つかもしれません。
男の子であれば、
大きな声や経済的な圧力などで
可哀想な母親を威圧するような父を
自分のモデルとして持つことしかできなかったことで
やはり本当の自尊心を持つことができなかったり
自分の性に対する罪悪感や嫌悪感を持ったり、
または父と同じような形で異性に対して
力で自分を認めさせることが
当たり前と思って育つかもしれません。
いずれしても、力での支配・・・
強いものが弱いものを力で支配するという関係を
人間関係の基礎と思って育ってしまうわけです。

2010.5.27.