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心の中の世界と外の世界

何らかの理由で
子どもの頃に気持を縮こませて
生きてこなければならなかった時、
私たちは心の中の世界を
楽しむ力を伸ばせずに成長してしまいます。


大人になって社会に出たり、
家庭を築いたりして、
様々なストレスを日々乗り越えながら
生活していかないければならなくなった時、
心の中の豊かな世界で遊べる人は
それらのストレスさえも力に変えて
しなやかで粘り強い対応が出来るのですが
その「遊び」のない人は
毎日がギリギリ精一杯の対応で
すぐに消耗してしまう。


私たちの心の中の世界は、
ちょうど私たちが夜見る夢の中の世界のように、
「正しい」とか「間違っている」とか
合理とか、条理とか、
そういうものは超越した世界、
「あり得ない」世界です。


魑魅魍魎が跳梁跋扈していたり、
様々なイメージが一見脈絡もなく現れたり、
時間の感覚がおかしかったり、
他人にはとても言えないようなことをしてしまったり、
信じられないような、それこそ「夢のような」ことが起きたり・・・


でも、それがあたかも当たり前のように
目の前に繰り拡げられる。
昼間、目覚めていて普通に「頭で」考えた時には
自分ではとても思いつかないような「独創的な」ことが
普通に起きる世界です。


そしてその世界は、
作為的に努力して作り出すものではなく、
自分の内側から自然に湧きだす泉のように
私たちが生きるためのエネルギーを
その中に湛えているような気がします。


カウンセリングの過程は、
その世界へのアクセスの道のりです。




面接が進んでいくにつれ、
一見、何の脈絡もなくあるイメージが
クライエントによって語られる…。


面接の中で、そんなことが起きる頃から、
それまでの「徒労感ばかりがつのってどこへもいけない」
「なんとなく平面的でつまらない」その人の物語が、
少しずつ深まっていくのを感じ始め、
その人自ら、自分の物語に引き込まれていく・・・。


それと同時に現実の生活も
段々にそれまでとは違った深みを持って見えてくる。


すぐには、何が変わったと上手く言えないかもしれないけど、
ふと気付くと、以前よりも日々が潤って来ているように
感じている自分に気づくかもしれません。




・・・以上のようなことを書くと、
「怪しい印象」を受ける人もいらっしゃるとは思いますが、
でもこれは、別に魔法でも何でもありません。
催眠術でも、何かの薬物の効果でも、
新手の宗教でもない。


カウンセリングという行為の中で極々自然に起こる変化です。
このようなカウンセリング(心理面接)という方法を編み出し、
そして練り上げてきた先人の知恵には感動するばかりです。


何をするわけでもない、
ただ、人が、もうひとりの人(カウンセリングのルールを心得た人)を前に、
ルールの中で、自分のことを語り続ける・・・
その行為を積み重ねていく中から変化は自ずと生まれます。


2010.11.10.