カウンセラー紹介

萩原眞樹(はぎわらまき)

米国臨床心理学修士号(MA in Clinical Psychology)。臨床心理士。

福祉、教育の分野で長年の経験から、児童虐待その他の家族内の問題に注目する。
それをきっかけに、AIU/CSPP(アライアント国際大学カリフォルニア臨床心理学大学院)を知り入学DV(ドメスティック・バイオレンス)や児童虐待などへの介入を重視した米国における実践的なサイコセラピーを学ぶ。

上記修士課程修了後、都内および近県のアディクション(依存症、嗜癖)専門クリニックや一般精神科、神経科、心療内科クリニックに勤務し、個人カウンセリングを中心に心理療法を実践。

現象学理論、家族療法、精神分析などの視点に基礎をおきながら、統合的なアプローチを行う。

また、福祉、教育分野での経験から発達障害という視点も常に合わせ持ち、心理的な側面だけではなく、生物学的な側面や、社会的な視点など、様々な文脈から、クライアントの抱えている問題について考える。

自ら子供時代からの生きづらさの経験を持ち、クライエントとして数百時間以上に及ぶ教育セラピーを受け、自分自身の心理的な問題や家族の問題などを見つめてきた。それらの経験から、心の問題を特別なこととは考えず、現代を生きる私たちの普遍的な課題という視点で捉えなおす。

日本家族と子どもセラピスト学会、日本嗜癖行動学会、日本心理臨床学会、日本精神分析学会、等、会員

カウンセラー(萩原)からのメッセージ

 カウンセリングをするにあたって、私が一番大切に思っていること。それはカウンセラーとしての私自身の「立ち位置」のようなものではないかと思います。

 私の考えているカウンセリングは、「病気」の人を「治す」仕事ではありません。悩んでいる人の「悩み」を「解消」したり、「癒し」たりする仕事でもないと考えいます。それは一言でいえば、クライアントさんが相談室に持ってこられた「悩み」や「病気」という心の中の暗号の本当の意味を、クライアントさんと一緒にただ読み解いていく仕事です。

 その過程では、常にカウンセラーの「立ち位置」というものがとても重要になります。何故なら、多くの心の問題は、家族や社会の中での力関係や常識、既成の価値観などと密接に関わっていて、その中にあって、症状や悩みは、人(クライアント)の心が上手く思うように身動きできなくなった時のSOSであったりするからなのです。せっかく発せられたそのSOSを「解消」したり「癒し」たりして、ただ、もみ消して(黙らせて)はいけないと私は考えています。それに、そんなことなら、もうとっくに、本人や家族や周囲の人たちがやってきていると思うのです。

 そうではなく、反対にその暗号をきちんと読み解き、そこに書かれたコマンド(実はクライエント自身が書いた)の実行をクライエントができるようにすること。それは実は、古くなった家族や社会とクライエント本人との関係を動かして、新しいもっと生き生きとした関係を築いていく原動力にさえなる。そして、そこに立ち会う時、カウンセラーは、そのダイナミズムを見抜き、それに際して自分自身がとっているスタンスを認識する力を求められるものなのだと感じています。